【撮影編】プロも認めるテレビ風な動画編集の教科書

いわてふぁん
現役地方テレビ番組の「編集」をしている私が解説します!

【プロも認めるテレビ風な動画編集の教科書】


Step.1「撮影」
Step.2「編集〜カットを繋げる〜」
Step.3「編集〜フォーマット〜」
Step.4「BGM」
Step.5 「テロップ」

Step.6「SE(サウンドエフェクト)」
Step.7「エフェクト」

映像はかなりシビア!二度と戻らない一瞬を記録

「映像」を仕事にする際の心構えとして、一言。。

撮影はもちろん、その他仕事に関しても失敗しないようにした準備をすると思います。

「映像」はかなりシビアで、二度と戻らない一瞬を記録するものなので、ガチガチに準備をしましょう。

 

例えば、

A社:●月●日に〜町から見える「日の出」を撮ってほしい。

という依頼があったのにも関わらず、「寝坊」や「機材忘れ」、「時間に間に合わなかった」など望んだ映像が撮れなかったら商品(サービス)になりませんよね?

映像は「物」と違い、「二度と戻らない形のないもの」を商品とします。

 

テレビ業界でも、ロケ前日まで「仕込み」と「徹底的な台本」を作ります。

当日のスケジュールもしっかり時間を記載して動きます。

映像のプロは、その一瞬のために念入りな予定を立てて撮影を迎えるのです。

じゃあ、撮影前の下準備って具体的に何をすれば良いの?

今回はStep1.「撮影」と言うことで、撮影の「下準備」と「心構え」について詳しく説明します!

1〜3のテーマをしっかり読み込み、映像のプロを目指しましょう!

実はこのStep1.「撮影」が映像納品までの中で一番大切な部分です。

1.下準備

テレビ番組の制作会社では基本的に「制作(ディレクター)」と「技術(カメラ・音声・照明)」で分担作業をして、ロケ当日を迎えます。

今回は、YouTube動画を作る個人向けに発信する内容なので、制作と技術の準備を混ぜて説明していきます。

いわてふぁん
準備は一番怠ってはいけない部分なので、注目です!

撮影許可をいただく(アポ取り)

※外部の人と関わらない撮影をする場合は飛ばしてください!

撮影をするネタが決まったら、まずは「撮影許可をいただく」から始まります。

飲食店や雑貨屋さん、遊園地、企画に関わる出演者など、映像に映ったり、お邪魔になるものは必ずアポイントメントを取りましょう。

 

「食べログ」とか勝手に写真を載せている人もいるし、許可なく撮影していいんじゃないの?

写真や動画をネットにアップロードするつもりで撮るなら、基本的に許可を取りましょう。

なぜなら、「撮影してほしくない!」と言うお店や、「背景に撮影許可をしていないスタッフも写っている」場合もあるからです。

いわてふぁん
私はinstagramの写真もしっかりお店の許可を得てアップロードしています!

「撮影許可どり」が重要な理由として、

・動画に出演できるかできないかが分かる
・お店側のスタッフへの信頼
・当日の動きの予測ができる
・撮影がスムーズになる
・(許可降りていない場合)無駄な撮影時間にならない
など、許可が降りる意外にも、スタッフの連携部分にも関わります。

台本

どんな番組でもある程度の「台本」を作ってからロケ(撮影)をします。

主に、番組(動画)の大枠を見据えた内容を書いていきます。

 

YouTube動画制作でも、ある程度の台本を用意しておくと撮影がスムーズになります。

台本を書くことにより、全体像を自分も撮影隊も把握しておけば、何をどのように撮って、どのように編集するかを想像しながら当日を迎えることができるからです。

つまり、その動画で伝えたいこと(オチ)を考えながら撮影をすることができるのです。

いわてふぁん

少人数で動画を撮る場合は、紙やメモアプリに箇条書きでストーリーを書いておくとスムーズです!

スケジュール

テレビ番組のスタッフは超必要なものがスケジュール表。

ロケ当時に取材をするお店へ伺う時間や、撮影時間を書いている情報です。

 

なぜこんなにも重要かというと、

・礼儀=撮影許可をしていただいたお店に時間通りにお邪魔する
・体力・集中力=時間を把握することで優先すべきものを撮る
・気持ち=遅れによるスタッフ陣の気持ちが下がる
知識や技術は置いておいて、「人間として、社会人として。。」の信用に関わる部分が大きのが「時間を守る」こと。
1日に何軒も取材をするロケだと、時間内にどれだけ撮れるかが重要です。
スケジュール表はしっかり間違いのないものを作っておきましょう!

バッテリー確認(カメラ)

次はテレビ業界で言う「技術(カメラ・音声・照明)」の準備です!

「カメラ」の準備において基本中の基本が2つあります。

そのうち、まず1つが「バッテリー」

 

誰もが想像つくはずですが、バッテリーがないとカメラを回すことができませんよね?

撮影当日にバッテリーがなくて映像を撮ることができない。。

 

ほぼありえない失態ですが、やってしまうことがあることがあるミスです。

 

しっかり、撮影前日に「バッテリー」を用意しましょう。

メディア確認(カメラ)

「カメラの準備」の基本中の基本その2。

メディア(SDカードやXDCAMディスク、CFカードなど)を準備することです。

 

これも、よく忘れてしまうケースが業界内でも多いです。。

 

機材の準備や動作チェックに気を取られ、映像を記録するためのメディアを忘れてしまう。

メディアがないとカメラがあったとしても撮影ができません。
(カメラ内臓で記録できるものもありますが、容量に限りがありますよね。。)

 

最悪、SDカードは家電量販店やコンビニで購入する方法もありますが、時間とお金の無駄になるでしょう。

 

メディアもしっかり、前日のうちに準備しましょう!

スマートフォンでの撮影の場合は、しっかり本体の容量を把握しましょう!

音声確認(カメラ)

テレビ業界では、カメラの動作チェックの他にも、「音声ミキサー」の動作チェックを怠りません。

いくら映像がきれいにとれても、現場の音がちゃんと記録されていないと意味がないからです。

 

YouTube動画などの個人で撮影する方は、前日もしくは撮影当日の早い段階で、カメラの音声がちゃんと反応しているかチェックしましょう。

 

映像同様、“音も二度と戻らないもの”です。

2.撮影(撮影の仕方)

さて、いよいよ撮影当日の注意点と心構え、コツを解説します。

撮影の注意点とコツ

1.サイズは間違っていないか?

RECボタンを押す前に確認すべきことは、「画面のサイズ感」は大丈夫か?ということ。

テレビ番組では「サイドスーパー(サイドテロップ)」という、画面の上上手または上下手にテロップを入れます。

そのため、出演者の顔にテロップが被らないように、画面の上部には余白を入れて収録します。

YouTube動画などはサイドテロップ入れる方と入れない方で分かれますが、基本的に「余白」を残して撮影しましょう!

また、YouTube動画に関しては、最悪編集で映像を「拡大」をすることができるので、気持ち広く撮ることをおすすめします。

※テレビ番組では映像を「拡大」をする手段は画質が落ちるということで、基本的に使いません。いわゆる、邪道な方法として見られるからです。

 

2.収録形式(フレームレートなど)を確認

現在のテレビ番組の収録形式は、

【アスペクト比】16:9 / 【フレームレート】60i
となってます。
YouTube動画などの基本的な収録形式は、
【アスペクト比】16:9 / 【フレームレート】60p
でしょうか。
基本的には上記の設定で撮影すれば問題ないでしょう。
iPhoneで撮影する場合、カメラの基本設定は、
「1080p HD/30 fps」となっているので、「1080p HD/60 fps」に変更して収録すると良いでしょう。

3.しっかりRECになっているか確認!

これもよくあるミスで、気を抜くと大惨事になる事例です。

(YouTuberの方の動画でも「録画できていませんでした。。」というのをよく聞きますよね。。)

 

RECボタンは押した後、ちゃんと回っているか確認してから撮影しましょう。

せっかく準備したのにもかかわらず、映像が記録されていなければ意味のないことのになります。

 

また、テレビ番組の撮影では「逆ターリー」ということもあります。

逆ターリーとは、

【逆ターリー】
「REC」と「回していない時」が逆転して、映像を収録してしまうこと。
つまり、肝心な部分が記録されず、撮影していないオフの部分を回していることです。
撮影が始まったとき、しっかりRECボタンを押したことを確認して挑みましょう!

4.スマホ撮影のでの注意点

スマホはカメラボタンを押し、「動画」にするだけで収録できてしまう便利なものです。

しかし、iPhoneでよくあるミスとして、

「スロー」モードになって撮影してしまうパターンもあります。。

 

スマホ撮影でもしっかりRECボタンを押すときに確認をしましょう!

3.最終チェック

さて、収録も終わり後片付け!といきたいところですが、最終チェックもしっかりしましょう。

編集をスムーズにするためにしておきたいチェックを2点ほど。

 

1.RECボタンはちゃんと押しているか

映像が記録されていれば安心ですが、RECボタンの押し忘れで、いらない映像も撮っていると無駄な容量をくってしまいます。

当然、編集でも「バックアップ」や「無駄を処理する時間」ももったいないです。

 

撮影を終了するときも、しっかりRECボタンを押したか確認しましょう!

 

2.メディアに何を撮ったか書く

テレビ番組など大がかりな撮影の場合、記録メディア(SDカードやXDCAMディスク、コンパクトフラッシュ、HDテープなど)をたくさん使用します。

使ったメディアには必ず、「何を撮ったか?」「日付」「ロール番号(R-1,2,3…)」をテープなどを張って書いておきます。

これらをする理由は編集をするときスムーズになるからです。

・足りないメディアが一目でわかる
・編集中のデータ損失時、メディアをすぐに確認できる(パソコンにバックアップしたデータで編集している場合)
・メディアを使いまわすときの優先順位をつけやすい
など

まとめ

全て読んでいただけた方は分かると思いますが、誰でも知っているような「基本中の基本」の内容でした。

テレビ番組のスタッフは、一度過ぎたら戻らない瞬間を記録するために、準備をしっかり行います。

 

また、これらの内容は、多くの人とかかわるときに迷惑をかけない対処法にもなります。

 

まずは、「欲しい映像を必ず撮る」準備と対策ができる方が、プロ中のプロではないでしょうか。