【BGM編】プロも認めるテレビ風な動画編集の教科書【選曲・コツを伝授】

いわてふぁん
現役地方テレビ番組の「編集」をしている私が解説します!

【プロも認めるテレビ風な動画編集の教科書】


Step.1「撮影」
Step.2「編集〜カットを繋げる〜」
Step.3「編集〜フォーマット〜」
Step.4「BGM」
Step.5 「テロップ」

Step.6「SE(サウンドエフェクト)」
Step.7「エフェクト」

動画にBGMを入れる理由

そもそも何でBGMを入れるの?
映像において「音楽」はかかせないもの。
BGMを入れる理由として以下があげられます。
【動画にBGMを入れる理由】
1. 無音を無くすため

2. シーンの雰囲気をつくるため
3. 場面転換
基本的には、2と3の部分が強い理由になるでしょう。
楽しげなシーンではアップテンポなBGM、悲しいシーンではしんみりしたBGM。。
と、シーンに合う曲をいれることにより、より視聴者に強い印象を伝えることができます。
つまり、BGMは「雰囲気」を作り出す演出的な要素が大きいです。

「喜怒哀楽」のある選曲

選曲について

「喜怒哀楽」のある曲とは、シーン(登場人物の気持ち)に合い、必ず違う曲調のものです。

見せたいシーンのメリハリをつけるために、テンポ感や感覚の違いを促します。

「喜」… ポップス
「怒」… ロック
「哀」… クラシック
「楽」… カントリー、レゲェ

など、曲によって異なりますが、見せるシーンや出演者の表情がより活きるBGMを選ぶことが重要です。

 

「喜怒哀楽」の例を以下にまとめました。

分かりやすいように知名度の高い曲をチョイスしています。

【プロポーズ成功シーン】“勢いのありすぎない「喜」をチョイス!”
・「Love So Sweet(嵐)」
・「Butterfly(木村カエラ)」
・「115万キロのフィルム(Official髭男dism)」など
【スタッフから無茶な企画にキレる】“面白くなるような「怒」をチョイス!”
・「うっせぇわ(Ado)」
・「What’s Up, People?!(マキシマム ザ ホルモン)」
・「KiLLiNG ME(SiM)」など
【元カノとの良い思い出を語る出演者】“悲しいけど少し前向きな「哀」をチョイス!”
・「月の光(ドビュッシー)」
・「猫(DISH//)」
・「ドライフラワー(優里)」など
【楽しそうな作業風景】“アップテンポな「楽」をチョイス!”
・「やってみよう(WANIMA)」
・「明日も(SHISHAMO)」
・「ガッツだぜ!!(ウルフルズ)」など
「選曲」は簡単そうで実は難しい部分。
「センス」・「知っている量」・「歌詞が合っているか」などと様々な要因が関係してくるものです。
常に、新しい・古い曲にアンテナをはっていましょう!
いわてふぁん
映像の編集が終わった後にBGMを付ける作業になりますが、毎度のようにディレクターが「ここ何のBGM入れようかな泣」と悩みますね(笑)
しかし、YouTube動画になると著作権の関係上、可能な限り「著作権フリーのBGM」を入れたいところ。
有名かつ信頼できる「著作権フリーの音源配布サイト」をいくつかご紹介します。

著作権フリーの曲データ配布サイト

今回、筆者がよくテレビ番組・YouTube動画でよく使う、著作権フリーの音源配布サイトは以下の通り。

【著作権フリーの音源配布サイト】
・YouTube公式の音楽ライブラリ

DOVA-SYMDROME
甘茶の音楽工房
Nash Music Library(買い切り)

YouTube公式の音楽ライブラリ

・無料
・YouTubeのみ使用可能
・やや豊富

DOVA-SYMDROME

・無料
・全般使用可能
・非常に豊富

甘茶の音楽工房

・無料
・全般使用可能
・非常に豊富

Nash Music Library(ナッシュ ミュージック ライブラリ)

・有料(買取タイプ)
・全般使用可能
・非常に豊富(クオリティが高い)

BGMをつけるときのコツ

雰囲気に合わせた選曲は分かったけど、BGMをどう使えばいいんだろう?

場面の転換で曲を変える

「場面の転換で曲を変える」とはどういうことか。

商品レビュー系の動画の流れを例にあげると…

1. オープニング(商品の紹介)
2. ポイントや動作を見せる
3. 他のメーカーとの比較など
4. まとめ
物や内容にもよりますが、だいたい上記のような大まかなストーリーの動画になるでしょう。
1~4で気づくのは、「起承転結」になっていること。
軸となる起承転結がBGMを切り替えるタイミングが基本となります。
軸となるBGMを固めた上でシーンに合う曲をはめていくことで、映像にもテンポが出てくるのです。
いわてふぁん
YouTube動画に関しては、お決まりの「オープニング」「本編×2」「エンディング」の4つを固めておいて、「喜怒哀楽」用のシーン別BGMも用意しておくと作業が効率的になります!

歌詞の無い曲(インストゥルメンタル)を使う

なぜ、ボーカルのない曲が良いかというと、「歌詞に左右される」ことがあるから。

「映像」の邪魔になりえることがあるからということです。

 

見ている映像に自分の好きな曲が流れるとしましょう…

歌詞を口ずさんでしまうのではないでしょうか。。

そうなってしまうと、映像よりも曲に意識がいってしまうのです。

 

そうならないために、極力BGMはインスト(インストゥルメンタル)と呼ばれる、ボーカルの無い曲がよいとされています。

または、日本語ではない曲(洋楽など)もおすすめです!

【映像で使用したほうが良い曲】
・インストゥルメンタル(ボーカルなしの曲)
・日本語ではない曲(洋楽など)

BGMの消し方

BGMのうまい消し方やテクニックが知りたい。

フェードアウト

【フェードアウト】
音がゆっくりと無音になること。
調定番のBGMの消し方です。

カットで消す

フェードを使わずに「カット」でBGMを切る方法。

本編中の、「ボケ」や「つっこみ」など視聴者に“聞かせたい”部分を強調するときに使います。

バラエティ番組ではよく使われる手法です。

曲の終わりを繋げる

プロがよく使う、BGMの消し方です。

BGMを貼るシーンの長さや、使用する曲の終わり方によって使えない場合があります。

しかし、フェードよりもメリハリがつくので、映像もかっこよく見えます。

エコーをかけて消す

「エコー」もプロがよく使う、BGMの消し方です。

「曲の終わりを繋げる」同様、映像のメリハリがつく方法です。

 

動画編集アプリによってエフェクトのかけ方が異なるので、気になる方は調べて使ってみてください!

まとめ

【動画にBGMを入れる理由】
1. 無音を無くすため

2. シーンの雰囲気をつくるため
3. 場面転換
喜怒哀楽のある、シーンの差別化がはかれる曲を選曲。
「起承転結」のBGM確保と、シーン別(喜怒哀楽)の差別化がはかれる曲を選曲。
極力、歌詞(ボーカル)の無い曲を使用。
【BGMの消し方】
・フェードアウト
・カット
・曲終わりを繋げる
・エコーをかける

脇役になりがちな「BGM」ですが、ある・なしだと圧倒的に見え方も変わってきます。

視聴者には気づきにくい細かいこだわりになりますが、プロ・アマの違いはここにあります。

視聴者を楽しませ、より伝えたい部分が強調できるような「編集」ができることを願っています!