【編集~カットを繋げる~】プロも認めるテレビ風な動画編集の教科書

いわてふぁん
現役地方テレビ番組の「編集」をしている私が解説します!

【プロも認めるテレビ風な動画編集の教科書】


Step.1「撮影」
Step.2「編集〜カットを繋げる〜」
Step.3「編集〜フォーマット〜」
Step.4「BGM」
Step.5 「テロップ」

Step.6「SE(サウンドエフェクト)」
Step.7「エフェクト」

テレビ番組とYouTube動画の編集の違いはここ!

プロの映像とYouTube動画の編集って何が違うの?

テレビ番組とYouTube動画の編集の大きな違いは、

「カットの繋(つな)ぎ」

にあります。

 

「カットを繋ぐ」という言葉をご存じでしょうか?

映像業界でいう「繋ぐ」は動画編集をする上で超基本中の基本です。

これを怠ると「安い編集」、つまり「雑な編集」と見られます。。

いわてふぁん
自分も新人の時は、先輩に口酸っぱく「ちゃんと画(え)を繋げ!」と怒られました。。

 

“プロも認めるテレビ風な動画編集ができるようになるための教科書”Step.2では、「カットを繋ぐ」という言葉の意味や、「うまくカットを繋ぐには?」を解説していきます。

テロップやCGでは誤魔化しのきかない基本の部分であり、動画の軸になる部分です。

これができているかいないかで、かなり映像に差がうまれることでしょう。

 

「安い繋ぎ」と「プロの繋ぎ」

いわてふぁん

この章では、

・映像を「繋ぐ」とは?
・極力、「同ポジ」を使わない

・しゃべりの間隔を詰めすぎない

という3つのテーマを説明します!

映像を「繋ぐ」とは?

映像を「繋ぐ」とは、

画(え)変わりのするカットを入れていく

ということです。

 

漫画のコマ割りが良い例でしょう。

漫画は一コマ一コマ違う絵が描かれていますよね。

プロの映像も1カット1カット同じような画(え)が流れるようなことがありません。

 

このように、誰が見ても「カットが変わった」と認識できる映像を並べることを「繋げる」と呼びます。

 

じゃあ、同じようなカットを繋ぐと何がダメなの?
それが次のテーマである「同ポジ」という言葉がカギを握ります!

 

極力、「同(どう)ポジ」を使わない

「同ポジ」とは、「同一ポジション」の略称です。

同ポジの例というと、以下の動画のような映像の繋ぎ方をしたものです。

YouTubeの動画で良く見受けられる、「人のしゃべりがロボットのようになる」編集が「同ポジ編集」となります。

もちろん、しゃべりの映像だけでなく、要らない部分だけ削ったような映像は同ポジと呼びます。

 

「同ポジ」が何でダメなの?
正確に言うと、ダメではありません。
情報を伝える映像としての役目があるということには変わりはないので、間違いではありません。
しかし、テレビ業界ではタブー。
なぜなら、
「何も考えずに、楽して無駄な部分を削って映像を繋いでいる」
と思われるからです。
いわてふぁん
たしかに、いらない部分だけ削り落とすだけの作業なら楽ですよね。。
プロじゃなくてもできる映像と言われても過言ではありません。。
「演出的な同ポジ」もありますが、画変わりのある映像を繋ぐことが基本となります。

しゃべりの間隔を詰めすぎない

出演者それぞれに「しゃべりの間(ま)」があります。
ゆっくりな口調の人もいれば、早口の人、言葉と言葉に間をあける人もいます。

インタビューなどの「しゃべり」を編集する上で、人それぞれのしゃべりの間を把握しながら、編集しましょう。

YouTubeでよく見かける、無駄な部分や間を削った、弾丸トークをしているような動画があります。

短い時間にたくさんの情報を届けたいというコンテンツであれば「演出」として見られますが、そうでない場合は「雑な編集」とし見られてもおかしくはありません。

また、音だけでもカットの切れ目が分かる編集も

= 雑な編集・失礼な編集
と見られてしまいます。
プロは、いらない部分を削っても、出演者が流暢に話をしているように的確な間をつくりながら画(え)と音を繋いでいます。
いわてふぁん
とても細かいけど、プロ・アマの差はここにあり!

インサート

「インサート」とは、

軸となる映像または音声の上に被せる映像

のことを意味します。

例えば、

「この高級ブランドの財布。装飾や質感が非常に良いんです! カードなどの収納も豊富でとても便利なんです!」

という一人しゃべりの動画があったとしましょう。

 

出演者が延々と魅力を「言葉」だけでしゃべっていても、視聴者には伝わりずらいですよね。

そこで、上記のしゃべり動画に実物の財布の「インサート映像」をのせます。

視聴者は、目からも耳からも情報が入ってくるので、かなり実物を実際に見ている感覚に近くなるでしょう。

 

さらに、「インサート」の役目として、「同ポジ」を隠す効果もあります

 

テレビ番組ではYouTube動画と異なり、「ナレーション」も多く使うので、たくさん「インサート撮り」をロケ当日に撮ります。

いかに視聴者に実物を伝えられるか、いかに同ポジを隠せるかが、プロとアマの映像の違いになるのではないかと思います。

いわてふぁん
テレビ番組の映像は、たった数秒でもものすごい情報量を視聴者に届けているんだ!

「間」をつくる

上記でも開設した「しゃべりの間(ま)」と近いですが、映像の「間(ま)」が大切です。

 

特に大切にしたい「間」は、シーンが切り替わるとき。

視聴者がストーリーに置いてけぼりにならないように、シーンの変わり目のカットに少し「間」があると良いでしょう。

その「間」でテンポに変化が起きます。

 

実は、日ごろ見ているテレビのCMも1秒間の「間」があります。

CMとCM、番組にそれぞれ15F(フレーム)ずつ無音があり、合計1秒の「間」が入っています。

この「間」によって、シーン・他社の映像・番組などの切り替わりを、視聴者がなんとなく感じられるようになっているのです。

 

もちろん、映像表現上1秒でなくても大丈夫です。

シーンを切り替えるときにたっぷり「間」をとらせて、見ている方がすっと次の内容に入り込めるような空白をつくりましょう。

 

まとめ

今回はテレビ業界でいう「白(しろ)映像」をつくるような解説をしました。

Step.1の「撮影編」同様、基本中の基本です。

プロの映像職人たちから言い伝えられてきた基本の「映像を繋ぐ」は、見ている人に「伝える」に焦点を当てたテクニックです。

 

もっと詳しく伝えたい。。

見ている人に飽きさせないように。。

 

そんな思いが込められた方法なのかなと思います。

 

映像はアートのようなもので、上記の内容が正解ではありません。

結局は視聴者にどれだけ自分の伝えたいものを伝えられるかということ。

「映像を繋ぐ」という基本ができるようになると、動画の見え方ががらりと変わると思います!